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しいたけ豆知識

しいたけの栽培の歴史

しいたけの半栽培 しいたけは古来栽培ができなく山林にある美濃を採集するしかなく、精進料理の出汁を取るために無くてはならないものだったそうです。江戸時代にナラやクヌギの原木に傷を付け、そこに偶然椎茸菌がついて成育させたという「半栽培」が主流でした。
そのため高価なキノコで、栽培に成功すれば莫大な利益が得られ、逆に失敗すると全財産を失うある種の賭博事業だったそうです
栽培の確立 18世紀になり、原木に椎茸菌を植え付けしいたけのみを栽培することが確立されました。さらに、1928年にエノキタケで未利用資源(産業廃棄物)としてのオガクズを有効利用することを考え、エノキタケの「おがくず人工栽培法」(菌床栽培法)を確立。その十数年後、この方法をしいたけにも応用し現在の菌床栽培に至ったともいわれています。

しいたけの栽培環境

環境 キノコの栽培の基本は、天然の環境を室内に再現しなくてはいけません。室内なので「光」「温度と湿度」「二酸化炭素」を管理して、屋外環境の影響を受けにくいようにしなくてはいけません。そのため、栽培所の最適な生育栽培条件を作り出すために「滅」や温度管理「冬は暖房」「夏は冷房」と多くのエネルギーを必要とします。 また、害虫やその他の菌による被害を阻むため、食品加工工場等と同じように「エアーシャワー」「紫外線による殺菌」等のような衛生管理を徹底しなければいけません。
このようなこと、通常は農薬は使用できません。それこそクリーンルーム内のような環境で生産を行う場合も多々あります。
最近では、しいたけ菌糸体の培養蔓延の期間だけを環境管理された室内に置いて、子実体の発生が始まる前に林地に埋設、温度と湿度を管理しないで、自然に任せるような育成場所に移し栽培させる場合もあります。
光と二酸化炭素 菌の成長には紫外線(光)は有害です。そのため、菌を培養させる部屋は暗くて、人が作業をする時に必要なだけの照明しかつけてありません。また、二酸化炭素も成長を妨げるため、二酸化炭素の低い空気(新鮮な空気)が必要になります。
温度と湿度 しいたけ菌は季節的に春や秋の比較的涼しい温度と湿度の高い状態を好みます。「きのこは湿気のあるところが一番いいんでしょ?」等とよく入れますが、高すぎる湿度は逆に有害になってしまいます。一番いい環境は、温度が10℃~25℃、で湿度80%程度が最適です。しかし生育の段階によってもこの最適な温度と湿度は異なりますので、栽培農家さんの、今までの経験と過去のたくさんの試行錯誤によって管理栽培されています。
雑菌と害虫 雑菌の感染源は、人なもちろんのこと、加湿をするための水の汚染、菌床などの滅菌の失敗、元々の種菌の汚染、さらに栽培所の虫の侵入など理由はたくさんあります。特に虫は同時に持ち込むいろいろな雑菌により生育にものすごい影響を与えてしまいます。菌床栽培では薬剤(農薬)を用いた害虫と害菌の駆除は認められていません。滅菌された育成室では害菌が発生すると、急速に増殖してしまいます。そのため、日常の観察と管理が非常に大切で、害菌の発生を発見した場合は問題となる菌床を直ちに育成室から出し感染拡大しないようにします。あわせて原因を突き止め適切な処置を行います。この対処が遅れると全滅する場合もあります。